こんにちは、医療コンサルタントの大谷です。
昨今の医療機関の課題のほとんどが何かしら「人」に係ることに結び付いています。
人財戦略が良ければ医療機関はうまくいく。そんなお話をしたいと思います。
医療は人が人にする事業である
受付、診察、処置、誘導、リハビリ、介助、会計
これら全て「人」が行っている。
人手はないのは検査のレントゲンやCT、カメラや歯科チェアくらいである。
医療は人が人に時に道具を使って行う行為である。
もっと事業的にビジネス的に言うならば、
人が人にするサービスで対価を得られるビジネスモデルと言っても過言ではない。
医療をしっかりと事業として捉える「事業としての成長を考える」
医療のほとんどは保険点数、つまり単価の決まっている事業モデルである。
そして、確認したいことは事業は事業収益が高く順調な経営をしたほうが良いということです。
事業収益を上げようとすると単価の決まっている保険診療であればどうしたらよいか?
① 回転率を増やす、患者さんを多く診るということ
② リピーターやクチコミにより医院自体が継続的に支持されること
③ 事業である以上、事業の継続性が脅かされるリスクを排除すること
この3つが大切です。
医療の事業性のすべてに「人」が関わる事実を把握する
もし、受付、処置、誘導がスムーズで患者さんにストレスのない対応が出来たらどうでしょう?
回転率が上がります。1時間あたり2名増えるだけでも8時間で16名増えます。
➡効率の良い動きが出来たら
もし、患者さんに対するコミュニケーション(接遇)が良かったり、説明が良い事で、
患者さんが医院を好きになってもらったり、支持者になってくれたらどうでしょう?
患者さんは「また頼ってくれます」そして「お勧めするクチコミをします」
➡接遇力がありコミュニケーション力があったら
もし、職員同士が仲が良くモラルをもった関係性を築けていたらどうでしょうか?
社風のモラルは守られ、ミスや自己中心的な行動も慎まれ、退職やトラブルというリスクが無くなるでしょう。
人財戦略とは何か?
①人を辞めさせない➡離職防止
②良い人が入ってくる➡採用の高質化
③職員教育と業務整備により事業を成長させる職員にする➡生産性の向上
この3つに私は分類しています。
人を辞めさせない「離職防止」とは?
人口減少からの人手不足時代です、以前とは比べ物にならないくらい採用が大変です。
ですから「辞められない」ことがこれからの時代は重要課題になってきます。
辞められたら、求人コストや育成コストが想像以上にかかります。
良い人が入ってくる「採用」とは?
かといって、誰でもいいから採用して問題職員をずっと居てもらうというわけではありません。
良い人を採用して、長期雇用を実現し育てていけたら理想的です。
ここで「良い人」とは私は
「院長の理念・ビジョンに共感する人」かつ「マイナス要素が少ない人」と考えています。
スキルが高い人やリーダーシップが高い人が「ハイスペック」と思われがちですが、
事業は「院長のやりたいことをみんなで実現する」というものです。
医療にありがちな「私の医療の正しさ」を貫いて仕事をしてもらうことは、
決して良いとは言えません。医療をやる前に私たちは「事業としての組織」だからです。
マイナス要素とはコミュニケーション力がとても低い、また長く働けない要素としています。
職員の教育と業務整備による「生産性の向上」とは?
別の記事で書きたいと思っていますが、医療経営で「生産性」と「医療モラル」というのはとても重要なキーワードだと思っています。
例えば歯科であれば、チェアの稼働率を高める工夫をする人が生産性の高い職員と考えています。
患者さんに支持され、待ち時間を減らし、より多くの患者さんを診ることを、
他の職員と協力して技術スキルをもって実現していくことが出来る人が生産性が高いと感がています。
このように、技術スキルやコミュニケーションスキル、事業の全体を見れるスキルなどを
「職員教育」と「業務整備」によって生産性の高い職員に育てていくことです。
人財戦略を行えば医療経営がずっと楽になる
人のトラブルが減る。辞めるリスクが無くなる。
患者さんが来る、患者さんから支持される。
組織として院長が方向性を指し示せば、その通りに組織が動く。
こうした医療経営の土台が出来れば先生は「医療に没頭できる」と私は思っています。
上記のことの反対を思い浮かべてください。
毎日がストレスとの戦いです。
最後にとても伝えたいことはこちらです。
今の時代だから起きている問題です。
過去と比較をしないでください。
今だから、人口減少で、人手不足で、価値観の多様化が標準化されています。
働く人、患者さん、社会の価値観が圧倒的にそしてものすごいスピードで変わりました。
その今だから「人財戦略が医療経営を楽にする」のだと思います。