医療コンサルタントの大谷です。
最近では消極的な開業コストの削減ではなく、戦略的な開業コストの削減を考える先生に出会うことがあります。
つまり、初期投資を下げて早期に借金を返して黒字期間を増やして「やりたい人生を送る」という考えです。
ベッドタウンでの開業を3,000万円で抑え5年で借金0にする戦略
毎月40万円の返済だと年間480万円20年で9,600万円の返済。
これが2016年~2018年までに良くあったパターン。
これを毎月50万円の返済で年間600万円、5年で3,000万円の返済で終わらせる戦略が出てきた。
それを可能にしたのが・・・
居抜き物件(事業承継によるもの)
60代後半の先生で患者数が維持されているけど閉院する物件が出てきたのだ。
こういった案件のほとんどは「先生の健康不安」によるもの。
もう少し働けるけど残念ながら病気により少し早い閉院を決断された先生。
次に70代の先生で患者数が減りスタッフも最小限となり閉院を考えている物件。
承継して欲しいと願うが「不動産売買」になるケースが多い
閉院する先生は想いもあるので承継して欲しいと願い「事業譲渡」として案件が上がるが、
なかなか「魅力的な事業を維持」しているケースは少ない。
また、開業したい先生というのは「自分のカラー」にしたいものだ。
マッチングが現実的には難しく、結果として不動産売買となる。
つまり、土地、建物を売る形になり、
のれん代(患者数)やスタッフの引継ぎ、機材代を評価して加算することは難しいからだ。
売る側の想いがあるのなら、買う側にも想いがあるからだ。
この10年で「売却情報」が増えた
年代的に閉院を考える先生が増えてきたのが一番の理由だが、
ITも進み事業承継案件やM&A案件の情報が管理されるようになり、
以前に比べると圧倒的に情報が手に入りやすくなった。
その為、3,000万円の投資で開業医となり、早く借金を返し自分のやりたい人生を送るという選択肢も出てきたのだ。
ただし、このパターンがはまるのは小規模の売上でOKと考えている先生向けかもしれない。
また、最初の1年はどちらにしても経営者として努力が必要だと思う。
スムーズにいくためのポイントは結局、スタッフ構成や育成、広報戦術なのかもしれない。