医療コンサルタントの大谷です。
ご相談に伺うと、真面目そうで何故かちょっとした「ごまかし」をする院長に出会うことがあります。
医療の企業経営化を推奨する理由を含めて、そのグレーのリスクを説明します。
労務のちょっとしたグレー。サービス残業。
先に言います。「グレー」という言葉の真意は法的にも賛否つけがたい時に使うもので、
「ごまかし」で何となくで済ませようとしているのは「ブラック」ですから!
サービス残業。
時間までに終えるようにするのが仕事だ!と強く言えば、
職員は残業を報告しずらくなる。
それを知っていて、残業にならにように業務改善をするのではなく、
「サービス残業を黙認」してしまう。
でも、これいつか確実に不満につながりますし、労基に行けばアウトです。
申請・施設基準・人員基準のグレー
まずこれもグレーはありません、「ごまかし」によるブラックです。
人手不足になると人員基準を満たせなくなり点数に左右されるようになるので、
兼任や無理なシフト調整などをして労務または基準のどちらかに無理が生じますが、
どうしてか、上手に通している医療機関があったりします。
グレーは「善人の心を蝕む」
だれもが堂々と生きたいものです。
経営者は軽い気持ちで損したくない、ちょっとしたことでちょっと儲けたい。
そんな気持ちかもしれません。
ですが、経営者ではない職員は「心が痛む」のです。
真面目に生きたい。分かっていて嘘をついている。
それをある意味、しなければならない、黙認しなければならないのは、
「善意」にストレスを書けることになります。
真面目な職員ほど耐えられずに辞めます。
無関心な職員は残ります。
つまり。組織を成長に導く職員が定着しないということです。
経営者の仕事は「理想の経営体質を叶える事」
賃金を上げて休みを増やし、質の高いサービスを提供できるように育てる。
こんな理想郷を作るのが実は経営者の役割かと思っています。
日本の従来の経営は生産性を上げろ!と言った時
どうやって「労働時間を増やすか」という発想になったことが世界的に驚かれたという話があります。
経営者の役割は「経営」を考えることです。
どうしたら真面目にやったうえでちゃんと利益を出すか?
それが「経営力」が付くという事だと思います。
グレーを野放しにすると、グレーに慣れます。
真面目にやることから逃げて、経営力が付きません。
ある時、グレーがブラックだと明確にされた時、
罰を受けた上に、ブラックから抜け出す「考える力」が無くて路頭に迷うかもしれません。
今からグレーをやめて経営力を高める必要性をとても感じています。